将棋研究 2六歩の足跡

威力抜群!対先手中飛車居合い抜き超速△65銀ぶつけ part6

基本1図を再掲します。

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今回は基本1図から最後の手段、④▲75歩を検討します。こんな手はあまり指されないかと思いますが、なめてると痛い目に合う変化もあるので注意が必要です。

基本1図からの手順④

▲75歩△84飛(11図)

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▲75歩にはあわてず騒がず△84飛と浮きましょう。代えて△同歩でも悪くなることはありませんが、この交換が入ると先手の攻め筋が増えて今までの変化では悪くなってしまうものもあり、対応を覚えなければなりません。そのため△84飛の方がケアする変化が少なくて済む分優ります。

さて、11図からは①▲78金②▲74歩が有力です。▲65銀は△同桂で目標の桂がさばかれてしまって得がなく、▲75歩を入れない今までの順で後手優勢です。

11図からの手順①

▲78金△66銀▲同角△86歩▲同歩△69銀▲68飛△78銀成▲同飛△86飛▲88歩△65桂まで後手優勢(結果12図)

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▲78金にはひそかな狙いがあり、△69銀を打たせて▲78飛と回りそこで▲74歩を突くのが先手にとって理想です。しかし、▲同角の瞬間△86歩が入ります。対して▲74歩は△同飛が次の△69銀を見て逆先で、やむなしの▲75銀には△34飛とかわしておいて△69銀や△65桂、△13角など豊富な攻め筋を見て後手優勢です。

よって、戻って△86歩には▲同歩ですが△69銀からばらして飛車を走り、△65桂と跳ねた結果12図は75の歩がぼけていて捌けそうな後手が優勢です。また、この順に限らず先手がマニアックな手を選んだとしてもとにかく後手の方針としては桂を跳ねて目標にならないようにしていけば自然と良くなります。

 11図からの手順②

▲74歩△同飛▲65銀△同桂(12図)

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よって11図では▲74歩が普通ですが△同飛にどうするか。角を逃げる手は右に逃げると△66銀に▲同角と取れず▲同歩に△67銀があります。また、△88角と逃げると△76銀▲78金に△86歩~△87歩が厳しく、▲97角は△95歩、▲79角は△67銀成でいずれも困ります。戻って△同飛には▲65銀が自然ですが△同桂で後手の駒が躍動してきました。

12図からの手順

▲66角△13角▲46銀△86歩▲同歩△88歩まで後手優勢(結果13図)

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12図からは角を逃げないといけませんが、68以外は△13角で▲66銀に△57銀をみて後手優勢、68は△78銀が厳しく後手勝勢です。最善は66に逃げる手ですが、これも△13角を入れてから△86歩▲同歩△88歩がうまい攻めでしびれています。結果13図以下は桂を逃げてもと金が大きいので先手はこの歩を取るよりありませんが、何でとっても△57銀からばらしていけ分かりやすく後手優勢かと思います。

以上で、基本1図からの手順を全て潰してきました。基本1図ではすでに後手よしになることが分かっていただけたかと思います。

このシリーズはこれで終わりとします

 

追記:一部内容を編集しました。元々もう一局面紹介する予定でしたが、△65銀自体の局面の頻度が現状さほど多くないことを考慮し、キリもいいのでここでこの△65銀シリーズは終わらせました。