将棋研究 2六歩の足跡

対三間△54銀型箱入り娘急戦 part0

今回は新シリーズです。今までの箱入り娘急戦は△43銀・△54歩型を想定しており、▲55歩からの仕掛けを考えていました。しかし実戦では△54歩を突かずに△54銀と進出して角頭を狙って来るのも有力な指し方です。そこで今回のシリーズでは後手△54銀型についての指し方を研究していこうと思います。

このテーマの基本図を提示します。

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この基本図は、△54銀を見て▲26飛と浮いた形です。この形まで組むのに必要なことは、▲56歩を保留することです。駒組みの段階で、できるだけ▲56歩を突かずに桂跳ねなどを優先して下さい。ちなみに▲56歩自体は決してマイナスではないので、序盤に四間飛車を見せられるなど後手が手損した場合は▲56歩を突いてしまっていても問題ありません。

具体的な手順をそのあとの記事で述べるとして、この戦法の特徴を先に示しておこうかと思いますが、これもさして今までの箱入り娘シリーズ(△54歩型)と変わりません。展開によっては急戦の定跡形の攻めになりやすく、また若干腰は重く攻めるような将棋になりやすいと思います。この形の方針を大きく三点挙げるとすれば、

①やはり右桂を跳ねる展開を目指す。

②とにかく飛車成りを当面の目標に、2~4筋で仕掛ける。

③相手の飛車は捌かせない。右銀は玉の堅さではなく、手厚さに使う。

これだけ頭に入れておけばとりあえずある程度勝ちやすい戦いはできると思います。

さて、本編となる次回は基本図から①△45歩を検討します。