将棋研究 2六歩の足跡

対三間箱入り娘急戦 part5 36手目△同歩型②

更新間隔が開いてしまいましたが、箱入り娘記事の続きからやっていきたいと思います。 前回の記事のリンクを貼っておきます。

対三間箱入り娘急戦part4 36手目△同歩型① - 将棋研究 2六歩の足跡

 前回は9図で①△34飛を調べ、▲11角成から▲45桂~▲35歩で飛車の取り合いでも後手が飛車を逃げても先手やれるとの結論が出ました。そこで今回はもう一つの選択肢②△36歩を調べましょう。

9図からの手順②

△36歩▲45桂△37歩成▲53桂不成(11図)

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△36歩に対し、▲52歩という手もありますが、変化が煩雑で難しいので▲45桂をお勧めします。対して後手は△34飛では前回の記事の10図に合流してしまい失敗なので、強く△37歩成とします。先手はこれを取ると桂馬を取られて失敗なのでここはもっと強く▲53桂不成!とします。

さて、ここで後手の対応が大量にあり、当然ですが全ての変化に対応しきらなければいけません。今回の記事と次回の記事に分けて、潰していきましょう。まず、一番後手がやらなさそうな順から潰していきます。

11図からの手順①

△同金▲同角成△28と▲54馬△34飛▲21馬△38飛成▲11馬△56桂▲86桂まで先手優勢(結果9図)

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まず単に桂を取って飛車を取るのは、先手はひたすら駒得をしていく方針でいきましょう。結果図まではほぼ一本道ですが▲86桂が桂馬を取ってからの▲74桂打などをみて厳しく、先手優勢です。

11図からの手順②

△28と▲61桂成△同銀▲11角成△41飛▲59香△19と▲44金まで先手良し(結果10図)

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 ▲53桂不成に手抜いて飛車を取るのは▲61桂成~▲11角成としておきます。このとき△34飛には▲35香があるので後手は飛車を走りにくいです。しかし▲21馬を許さない△41飛打が唯一の良い粘りで▲59香と打ちますが簡単ではなさそうです。しかし△19とに▲44金!というのがソフトでも時間をかけてやっと示した好手で、上部を抑え込んで後手がしびれています。ちなみに▲44金を発見できずに▲54香とやると△同金のときに手が難しく思いのほか混戦になるので注意してください。

11図からの手順③

△52金▲41桂成△62角▲同角成△同金寄▲24飛△22歩▲55歩△43銀▲37銀まで先手優勢(結果11図)

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△52金と上がってくるのはどうでしょうか。これには▲41成桂から角交換をした後飛車を走った手がと金の当たりを避けつつ味がよく、その後で冷静に▲37銀と手を戻して先手優勢の分かれです。後手からは次に指したい手がなく、対して先手からは▲23歩くらいでも手になります。

11図からの手順④

△34飛▲61桂成△同銀▲11角成△28と▲35香まで先手優勢(結果12図)

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先に△34飛としてもやっぱり香を取って▲35香が間に合います。ちなみに△61桂成に△44飛は▲51成桂△28とに▲53歩などで先手勝勢です。基本的に▲53桂不成に直接攻め合う手はすべてダメだと思っていいでしょう。

今回の記事はこれで以上です。他にも論外な手としては△62金上、△42角などがありますが、まあどちらの手も他の変化に比べて損しているだけなので論じるまでもなく▲41桂成で先手優勢です。次回以降は残された有力な二つの応手、⑤△62角⑥△71金について検討します。