将棋研究 2六歩の足跡

対三間箱入り娘急戦 part6 36手目△同歩型③

早速前回の続きとして11図からの後手の応手を考えていきたいと思います。11図を再掲します。

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11図からの手順⑤

△62角▲24飛(12図)

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▲53桂不成に△62角と間接的にぶつけてくる手も有力です。非常に振り飛車党らしい手で実戦でもかなり頻出の局面だと言えます。

ここで先手が▲61桂成としてしまうと、△44角と気持ちよく出られ、これは先手が不満な展開です。よって△62角には▲24飛と出ます。この局面で後手の手が分岐します。まさか△22歩などで受けるわけにもいきませんから(▲33歩成~▲61桂成)後手の手は①△53角と②△53金です。

12図からの手順①

△53角▲同角成△同金▲21飛成△31歩▲37銀△55角▲26角まで先手良し(結果13図)

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まず、△53角ですがこれはあっさり交換して飛車を成ります。▲21飛成に△34飛は▲25角が厳しいので△31歩が一番手堅いのですがここで▲37銀と払うのが落ち着いた一着です。△55角には▲26角と打った手がぴったりで結果13図以下は△52歩などと受けるくらいですが▲77桂打と手堅く受けておいて△34飛に▲46銀とぶつければ先手良しです。

また、△55角で△34飛と走る手にも▲26角が成立します。この場合先手からは▲46桂の狙いも残るので後手はより忙しいです。△44角と合わせても▲同角△同金▲35歩(変化1図)で先手好調な順が続き、先手はっきり良しでしょう。

12図からの手順②

△53金▲21飛成△12飛▲88角△47と▲33歩成△46と▲22と△57桂▲12と△69桂成▲同金△65銀▲11角成まで先手優勢(結果14図)

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②△53金には▲21飛成と攻め合います。角と飛車の取り合いでは先手に分のある形ですから、△12飛(△52飛もあるものの▲11角成△47と▲55銀で先手捌け形)と逃げます。ここで▲88角!と引くのが気付きにくい好手。これは▲33角成に比べて33の地点を開けておく意味があります。△47とには▲33歩成から飛車を捕獲しに行くのが一番早い攻めで、ここで△52飛としても▲43歩が厳しいです。よって取り合いになりますが、先手が良い形です。△57桂以下は一例ですがどうやっても飛車を捕獲しつつ馬まで作った先手が優勢だと言えます。

以上、△62角に対する対応を見てきました。これもやはり竜を作った先手の勝ちやすい展開になりました。区切りが良いので後手の大本命⑥△71金は次回に回します。それではまた!