将棋研究 2六歩の足跡

対三間箱入り娘急戦 part11 36手目△同歩、48手目△同飛型②

今回は前回の続き、22図から後手の応手を考えていこうと思います。22図を再掲します。

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22図からの手順①

△同香▲96歩△同香▲97歩△同香成▲同銀△84香▲88銀△65歩▲77金まで先手良し(結果23図)

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まず、前回示した選択肢の中で最も先手の良くなりやすい△同香から検討します。これには▲96歩から連打して香を召し取ります。香を取る以上の攻めが後手にないのでこの歩の連打は手抜けません。香を取ってからは△84香~△65銀が一番うるさい攻めですが、▲77金が好手で受かっています。後手からはこれ以上の攻めがないので先手良しの形です。

ちなみに▲77金に代えて焦って▲99歩は△88馬~△76銀~△96銀が案外いやらしく、一応受かってはいますが意外と先手も大変な形です。

22図からの手順②

△96歩▲11角成(23図)

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22図から△96歩と垂らすのも人間らしい手で厄介な手です。これには黙って角を成っておきます。

23図からの手順①

△95香▲99香△同馬▲同銀△97歩成▲同桂△97香成▲98歩△96成香▲88銀まで難解ながら先手指しやすいか(24図)

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23図から△95香として端の突破を狙うのが一番自然かと思います。それには▲99香と角を捕獲し、(▲99歩は△89馬で負け)後手の攻めに対応していく構想になります。

結果24図は形勢自体は難しいですが、後手は唯一の大駒が使いづらく、先手は右辺が広いので先手玉が捕まりにくく、人間的には先手勝ちやすい局面のように思います。図以下、△84桂や△84香が自然ですが先手は受け流しつつ右辺に逃げ込むイメージで指しましょう。

23図からの手順②

△84香▲99香△同馬▲同銀△97歩成▲同桂△96歩▲88銀△95香▲98歩△97歩成▲同歩まで難解ながら先手指しやすいか(結果25図)

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23図で△84香とした場合、結果25図まではほぼ一本道に近いと思います。

迎えた結果25図はほぼ結果24図と同じような展開・結論で先手指しやすいように思います。以下は△91香▲79金で受け流していく将棋です。

以上22図から二通りの指し手をみてきました。いずれも難解ですが先手持ちの変化が多いような気がします。次回は22図から後手の他の手段を調べます。