将棋研究 2六歩の足跡

対三間箱入り娘急戦 part10 36手目△同歩、44手目△71金型④

記念すべき10part目です。前回の最後でも述べたように、今回は13図まで戻って①△同金引ではなく、②△同飛とする順を調べていきましょう。13図を再掲します。

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13図からの手順②

△同飛▲37銀△55角▲46銀△99角成▲88銀△98馬▲44角(21図)

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13図から△同飛には▲24飛とすると今までの変化に比べて後手の飛車があたりを避けていることで、△47とと攻め合われたときに先手が損をしてしまうのでよくありません。ここは一旦△37銀と払います。対して後手は△55角と打つ一手。人間的にもこれを打たない人はいないでしょう。以降も一本道の展開が続き21図を迎えます。

21図からの手順①

△84香▲11角成△65銀▲99香まで先手良し(結果22図)

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21図から単に△84香を調べましょう。これには▲11角成として香車を取って87にプレッシャーをかける△65銀に▲99香とすれば十分です。

図以下は△99馬▲同銀△76銀▲88銀、△88馬▲同玉(▲同馬は△76銀で割と大変)△76銀▲78金と進めて後手の攻めが切れ模様で▲21馬の筋もあるのでどちらも先手良しです。

また、21図から△84香に代えて△65銀もやはり同じように▲99香が間に合うので先手十分です。後手は△95歩としても香を持たれた後のタイミングでは手抜かれてしまいます。

21図からの手順②

△95歩▲同歩(22図)

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よって後手はこのタイミングで△95歩が最善でこれは先手も流石に手抜けません。

この利かしを入れておいて、また後手の手が大量に分岐します。

①△同香②△96歩③△65銀④△84香⑤△45歩

が考えられる範囲で有力そうな手です。次回からはこの21図をテーマにしてこの5通りの応手に対して検討していこうと思います。