将棋研究 2六歩の足跡

威力抜群!対先手中飛車居合い抜き超速△65銀ぶつけ part3

今回は前回の続きとして下3図から②▲59角と引く手を調べたいと思います。

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3図からの手順②

▲59角△86歩▲同歩△13角(7図)

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▲59角と遠くまで引く手の狙いはどこかで△57銀に▲88飛や▲78飛を用意していることです。後手は▲59角にも△86歩と突き捨てますが、先手はここは▲同歩とします。(▲同角は前回のpart2の記事の変化に合流し、後手優勢だったので省略、▲54歩は今回は▲46角の狙いがないので大したことがなく、△87歩成で先手必敗)

そして▲同歩には今回は△13角と出て、先手の手が分岐します。

7図からの手順①

▲66銀△57銀▲65銀△58銀成▲同金右△87飛▲78銀△88飛成▲77角△79角成▲88角△同竜(8図)

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7図からやはり自然な▲66銀にも当然△57銀と打ち込みます。清算はさすがにまずいので、今回も▲65銀の一手に、飛車を取り、打ち込みを減らす▲同金右にも△87飛と打ちます。桂香を取らせるわけにもいかないので▲78銀~▲77角としますが△79角成があります。対して▲同金△同竜▲68金と竜を召し取りにいく手には△48金が銀を入手しての△39銀を狙って厳しいので、△79角成には▲88角ですが△同馬と取って8図です。

8図からの手順①

▲77桂△86飛▲87歩△81飛まで後手良し(結果6図)

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△55馬を喫しては先手まずいので▲77桂が自然です。後手は△86飛と走りつつも▲87歩には△81飛とにげておいてこれを結果図とします。後手からは次に香を馬で回収しつつ△86歩合わせから飛車の成り込みを狙えますし、先手は歩切れで手を作りにくいので後手十分の局面だと言えます。

8図からの手順②

▲15歩△同歩▲同香△12歩▲同香成△同香▲13歩△同桂▲11飛△31金▲12飛成△22金▲11竜△21金▲13竜△11香まで後手優勢(結果7図)

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8図からもっと過激にくる順を調べてみましょう。先手は▲15歩と攻めます。△同歩に▲13歩はその瞬間△86飛と走られて打つ歩がなく、▲15香には△78馬~△89飛成が激痛です。よって△同歩には▲同香ですが、△12歩と下から受けるのが冷静です。以下強引に攻めるなら▲同香成~▲13歩ですがこれも△同桂で問題ありません。△同桂に対して▲14歩なら△11香と打つのがぴったりの受けで▲13歩成△同香と進むと先手は1筋が受けにくいです。(▲12歩~▲11飛も△21角で大丈夫)

よって△同桂には▲11飛と打つのですが、△21角ではなく△31金が読みの入った受けで、先手竜が捕まってしまい、結果7図まで進んで後手優勢です。

7図からの手順②

 ▲15歩△57桂不成▲14歩△35角▲36歩△69桂成▲35歩△59成桂▲同飛△86飛まで後手優勢(結果8図)

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7図からの形でも▲15歩は少し気になりますがこの場合は△57角成ではなく△57桂不成とします。▲14歩には一旦△35角と逃げておけば問題ありません。先手は両取りを受ける手段もないので角を狙いますが進んで結果8図は後手が駒得の上駒がさばけていて後手優勢です。

以上、3図から②▲59角の変化を調べてきました。これも後手が良さそうなので、前回の記事と合わせて基本1図で△65銀に▲同銀とする変化は大方網羅し、どれも後手が良いことが証明できたのではないかと思います。

次回以降は基本1図で▲同銀以外の応手を調べたいと思います。