将棋研究 2六歩の足跡

威力抜群!対先手中飛車居合い抜き超速△65銀ぶつけ part5

基本1図を再掲します。

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前回は基本1図から②▲59角を調べました。持久戦模様ですぐに必勝、というわけではありませんが、後手よしの展開だったように思います。

そこで今回は基本1図から③▲78金を調べます。この手は正直あまりいい手ではありませんが、対応を間違えると後手も大変です。

基本1図からの手順③

▲78金△66銀(10図)

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後手は▲78金に対しては△66銀と銀を取って△69銀の筋を狙います。

10図からの手順①

▲同歩△69銀▲68飛△78銀成▲同飛△67金▲88飛△77金▲同桂△34歩▲46銀△67角まで後手勝勢(結果10図)

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10図から▲同歩は論外で、単純に△69銀~△67金が厳しいです。飛車の逃げ場は、88以外であれば△86歩が厳しいので▲88飛と逃げますが、単なる角金交換では止まらず、結果10図は馬作りが受からず、右辺を潰した後手が勝勢です。

10図からの手順②

▲同角△86歩▲84銀△65桂▲77桂△57銀まで後手優勢(結果11図)

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よって、10図では▲同角としますが、ここで△86歩と一本突くのが筋です。

代えて△69銀は▲68飛△78銀成▲同飛の局面で(1)△56金は▲75歩、(2)△86歩は受け流すように▲58飛で意外と大変な局面です。

よって、このタイミングで突くべきですが、△86歩に▲同歩は後で飛車が走れるので自然に後手優勢になります。そのため▲84銀と重く打つのが粘りの好手。後手は桂を跳ねるのが正解ですが、▲77桂が継続の狙いで△同桂成では先手に捌かれ後手も大変です。しかし▲77桂に対し、△57銀!と強くいくのが知らないと指しにくい好手で後手の攻めが成功します。

結果図以下、▲同角は清算して84の銀が取れますし、▲同飛は清算して△87歩成~△89飛がわかっていても非常に受けにくいです。また、どこかで△13角のぶつけもあって先手収拾困難でしょう。

ちなみに△65桂に▲77桂以外の手、例えば▲86歩は△69銀~△56金や△13角で先手ひどいのでこれも優勢です。

以上、基本1図から③▲78金を見てきましたが、やはり先手まずいことがわかりました。次回は先手最後の手段、秘手④▲75歩を調べます。指してくる人は少ないとは思いますが、意外と初見で対応するのは大変な手なので検討する価値はあると思います。

では、また次回お会いしましょう。