将棋研究 2六歩の足跡

△54銀型雁木を潰す!左美濃急戦 part8

13図を再掲します。

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今回は13図から③△26角を調べていきます。

13図からの手順③

△26角▲27歩(18図)

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ここでの△26角にはいつもの▲35歩は突かず、前回記事の△35銀の変化のように、ここでの△26角にも▲27歩と打つのが手筋です。

18図以下いろいろな手があるので軽く触れていきましょう。

18図以下の手順①

△37角成▲44飛△43銀▲同飛成△同金左▲61銀まで先手優勢(結果23図)

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まず、18図から△37角成ですが、素直に▲44飛と取って大丈夫です。43に何を動かすかですが、①△43金右はこの瞬間▲71角が厳しく先手勝勢、②△43金左も▲54飛に△同歩が利かず(△同歩には▲44歩がきつい)、△同金とするようでは▲61角くらいでやはり先手勝勢です。よって③△43銀が最善ですが▲同飛成に△同金左(右はやはり▲44歩が痛い)▲61銀!が気付きにくい好手で金をどこに逃げても角や銀が痛いため先手優勢になります。

18図以下の手順②

△43銀▲26歩△34銀▲66角△43銀▲55銀△同銀▲同角まで先手優勢(結果24図)

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△43銀には角を取って66に設置します。ちなみに△43銀に▲33飛成は取ってもらえず△37角成とされて先手大変です。

▲66角に対して△43金右は▲63角、△43金左は▲77角打が受けにくく厳しいです。よってもう一度43に銀を引きますが、▲55銀とぶつけて角を好位置に活用した結果24図は見た目以上に差がついており、先手優勢です。(+800前後)

例えば結果24図からは▲44歩、▲64角、▲25桂といった豊富な攻め筋があり、後手陣はすでに収拾困難です。

18図以下の手順③

△43金右▲26歩△34金▲61角△43銀▲63角まで先手勝勢(結果25図)

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前変化△43銀に代えて△43金右は▲26歩から▲61角が厳しいです。金を受ける手段は△43銀くらいですが▲63角で先手勝勢です。以下△31玉には▲74角成よりも▲72角成引が厳しく、飛車を取りに行ってから飛車を下ろしておけば後手玉は上部が厚みというよりも壁でひどい形なので必勝の形勢です。

18図以下の手順④

△43金左▲33飛成△同金▲26歩まで先手必勝(結果26図)

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18図から△43金左の手にはこの形で唯一▲33飛成が利きます。ここで無視して△37角成は▲22竜くらいでダメなので△同金ですが、手を戻しておけば先手必勝です。(+2000前後)

結果26図以下は▲22角や▲45桂など何を指しても厳しい上駒得もしていて自陣に脅威が及ばないので相当負けない形です。

また、13図以下の他の手順にも軽く触れておくと、④△55銀のぶつけには▲同銀△同銀▲77角が厳しく、⑤△43金左は▲44飛△同金▲22角でいずれも簡単に先手優勢になります。

 

以上、part6〜8まで3回に分けて13図以降の局面を調べてきました。しかしどの変化も先手がやれると結論付けることができました。

そこで後手も12図の時点で工夫が求められるので、次回は戻って12図からの変化に目を向けていこうと思います。