将棋研究 2六歩の足跡

対三間箱入り娘急戦 part8 36手目△同歩、44手目△71金型②

15図を再掲します。前回は①△53歩を調べて先手良しだったので、今回は②△47ととここで攻め合う順を調べます。

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15図からの手順②

△47と▲51飛成(18図)

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△47とには▲51飛成と竜を作ります。ここでまた後手の手が分岐します。

有力なのは①△46とと②△61金引の二つ。

他に③△38飛成は▲16角~▲53歩が厳しく1500点以上の優勢、④△39飛成も▲44角くらいで受けにくく⑤△61金寄も▲44角が鬼のように受けにくく、2000点以上の勝勢、⑥△61銀は評価値1000以内であるもののこの場合は▲44角から▲42成桂と使っていってやはり先手優勢はゆるぎないものでしょう。

18図からの手順①

△46と▲95歩△61金引▲55竜△38飛成▲94歩まで先手良し(結果18図)

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銀取りの自然な①△46とに対してはこのタイミングで▲95歩と突くのが急所です。この時後手が△同歩と取ると▲92歩が痛打です(△同香なら▲91銀)。よって一回は△61金引と竜を追い払いますが、▲55竜と天王山に据えた形がまたと金取りになっています。

 後手はと金を守る適当な手段も難しいですし、9筋に手を戻しても▲93歩が嫌味なので△38飛成と飛車を成っておくくらいですが▲94歩と取り込んだ形は次の▲93銀や▲46竜、▲51成桂に▲16角など手に困ることがない先手がはっきり良しの局面です。

18図からの手順②

△61金引▲53歩△51金▲同成桂△46と▲52歩成△44角▲77角まで先手優勢(結果19図)

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△61金引には飛車を逃げず堂々と▲53歩と垂らしておくのが好手です。後手は竜をこのままでにしておくはまずいので一回は竜を取りますが、そのあと指す手が難しいです。例えば△53飛と払っても▲52金で物量に押されます。自然なのは△46とから44へ絶好の位置への角打ちですが冷静に▲77角と合わせておけば大丈夫です。結果図は先手1000点以上の優勢で以下△55歩と止めても▲61金からの重い攻めが受かりません。

ここで意識すべきことは、とにかく先手は物量攻めをしておけば固さの差で大駒を渡しても負けないので優勢に立てます。

以上、15図からの変化を回収し終えました。やはり15図でははっきり先手良くなる変化ばかりでしたね。今回は前回に比べると短めですがここで区切って、次回は14図に戻り①△22歩ではなくここで②△47とと攻め合う順を調べます。