将棋研究 2六歩の足跡

△54銀型雁木を潰す!左美濃急戦 part3

前回の基本1図を一応先手十分と結論付け、今回はこちらの基本2図について調べていきましょう。

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こちらの局面の特徴といたしましては、

1 端の交換が入っている

2 後手は△54銀に腰掛けずに、玉の移動を急ぐ(すなわち、△31玉型)

というところです。前回の局面と比較すると、銀の代わりに玉に手を入れていて、端に対する守備力が少し上がっています。また、△54銀左を見せて▲44歩を緩和しています。それでは以下攻略していきましょう。

基本2図からの手順①

▲45歩△同歩▲33角成△同桂▲77角△74歩▲35歩(5図)

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この形でもやはり▲45歩から▲33角成として角を設置するのが急所になります。この場合の▲33角成に△同金は前回と違って▲22角がありませんが、代わりに▲45桂を銀で食いちぎれなくなっており、以下△32金▲71角で潰れです。

よって、△同桂の一手ですが、やはり▲77角と打っておきます。対して△54銀は前回の変化の中で△31玉とした形に合流しますが、前回あまり触れなかったので解説しておくと、これは端で強引に一歩持って▲44歩と叩いて銀を手に入れ、3筋を絡めていけばはっきり先手良しです。代えて前回のような攻めは▲21飛成がないので▲24飛の瞬間に△46角と打たれるとうまくいきません。また、戻って▲77角に△42金右もありますがこれも後手が受け身になりやすく、前回の記事での攻めのノウハウを十分に活かせば労せず先手良くなると思うので割愛します。(+500前後)本記事では自然な△74歩を調べていきます。

 5図からの手順①

△同歩▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲34歩まで先手優勢(結果4図)

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▲35歩の狙いを何も深く考えず自然に進むと結果4図まで進みます。後手は飛車が取れても▲33歩成をまともに食らっては一気に負けになります。また、△23歩で△36歩▲34歩△35角▲33歩成△24角と粘りに行く順もありますが、以下▲32と△同玉▲45桂△44歩▲34歩△45歩▲11角成(上変化2図)が一例で先手勝勢です。戻って▲35歩に取る手以外の手を考えてみましょう。

5図からの手順②

△42金右▲24歩△同歩▲34歩△同銀▲24飛△23銀▲29飛△22歩▲45桂△同桂▲同銀△75歩▲24歩△12銀▲33歩△同金直▲同角成まで先手勝勢(結果5図)

f:id:shogi_vinegar:20180724014841j:plain放っておいても▲24飛~▲34歩が厳しいのでいつも通り△42金右としてみますが▲34歩から銀を追い込んだ局面は1000点クラス。▲同銀に形よく後手陣を厚くするのも難しいので、△75歩とアヤをつけにいきますが、▲33歩が鋭く、結果5図は潰れです。

5図からの手順③

△46角▲24歩△37角成▲23歩成△28馬▲33と△44桂▲32と△同玉▲45銀△49飛▲47歩まで先手優勢(結果6図)

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△46角は勝負手気味の手ですが、構わず▲24歩と突きます。対して△同歩は▲34歩~▲47金で角が捕獲され先手良しなので強気に角を成りますが、取り合って進んだ結果6図は先手の攻めが手厚く先手優勢です。

ここまで見てきましたが、5図からはどう進んでも先手がはっきり良くなりました。そこで次回は基本2図から別の手順を模索していきます。